「ビブリア古書堂」栞子さんに萌え死中♡
バトン > 読書バトン・ブックレビュー - 2012年07月12日 (木)
![]() | ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫) (2011/03/25) 三上 延 商品詳細を見る 鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」 そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。 残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。 接客業を営む者として心配になる女性だった。 だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、 本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、 いわくつきの古書が持ち込まれることも、 彼女は古書にまつわる謎と秘密を、 まるで見てきたかのように解き明かしていく。 これは“古書と秘密”の物語。 |
唐突ではありますが、
今回はブックレビューをしてみようかと思います(笑)
現在、既刊3作。累計300万部突破の大ヒットシリーズ。
ご存じの方も多いと思っています。
私は著者、出版社が想定する読者層から外れています。
ライトノベルをほとんど読んだ経験がありません。
そんな人がラノベを読んだら、どんな感想を持つのか?
笑い流して頂けたら幸いです。
月夜の青猫絵本箱 管理者:真雪さん
図書ボランティアとして子供たちに
絵本の読み聞かせをされていらっしゃいますが、
女学生時代は「ツァラトゥストラはかく語りき」ニーチェ
感想を巡って現国の先生と喧嘩されるほどの猛者でもあります(笑)
真雪さんは「ビブリア古書堂」シリーズ
3巻全てのレビューをされています。
併せて参照して頂けると幸いです☆
こちらが①になります。 → 「ビブリア古書堂の事件手帖」
爆心地 管理者:小心者またはチキンさん
ブログで小説を創作されている方です。
「ビブリア古書堂」①巻のレビューをされています。
文章は短いですが、若い感性でとても説得力を感じます。
(続きもレビューしてくださいね!)
併せて参照頂けると幸いです☆
こちらになります。 → ビブリア古書堂の事件手帖読みました。
それでは私のレビューに興味のある方、
追記欄よりよろしくお願いします。
2011/04/07 大阪市天王寺区上本町6丁目のある書店で購入。
私は本を購入した時、レシートをその本に挟むようにしています。
このレシート1枚のおかげで、かなりの記憶が甦ります。
我ながらナイスアイディアだと思っています。
ノーマークのレーベルから出版されたにも関わらず、
話題になる前に購入できたことは、自信につながっています。
知らない作家の書き下ろしを初版で購入するのは勇気が入ります。
メディアワークス文庫。
2009年12月に創立された角川系列の文庫レーベル。
過去に今野敏「ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに」
購入した経験があります。多少の知識と免疫は持っていました。
対象となる読者はライトノベル(電撃文庫)を卒業中の人。
角川グループ系列。
角川文庫のイメージは出版したらそれっきり(笑)
文庫といえど一期一会のイメージを抱いています。
徳間文庫と並んで、買いそびれると後で泣きをみる、
古書店でいつ出会えるのか検討がつかなくなります。
購入動機。
表紙絵がたまらなく購入意欲を削ぎました(笑)
①私は稲垣足穂の河出文庫、
ビブリア・タルホロジカシリーズのファン。
タイトルの「ビブリア」(ラテン語で本を愛する人という意味)
図書館の会報などでも使われています。意味を知っていました。
②目次の第2話。
小山清「落穂拾い・聖アンデルセン」新潮文庫。
私小説作家の中で小山清を取り上げているのにセンスを感じました。
③舞台が鎌倉。
私は西岸良平「鎌倉物語」のファンです。
④ヒロインの名前が栞子。
私は諸星大二郎「栞と紙魚子」のファンです。
上記のことを考慮して購入を決めたと記憶しています。
内容について(ネタバレはしません)
形式は安楽椅子探偵小説。
連作短編集でタイトルに実在古書名がついているのが特徴。
幼少期のトラウマにより、本が読めなくなった主人公、
大輔(古書店従業員)の視点で語られていく物語。
ヒロインの古書店主、栞子さん。
色白で清楚な美人。眼鏡。極度の人見知り。
主人公に対しても本の話をする時以外は常におどおど。
しかも実は巨乳(笑)まさに男の理想像です。
男なら萌え死。キュン死するレベル。そんな栞子さん、
ひとたび、スイッチが入ると驚異的な推理力をみせるのです。
ラノベや青年コミックスに必要不可欠な要素として、
初期の段階でキャラが立っているか?が挙げられると思っています。
「ビブリア古書堂」シリーズ。その点は申し分ないと感じます。
この小説は栞子さんの魅力で引っ張っていく小説だと思っています。
ミステリーに物足りなさを感じる時は本格ミステリーを読めばよし。
文体に物足りなさを感じる時は、泉鏡花でも読めばよし。
私はその作家の世界観が好きかどうかで判断します。
「ビブリア古書堂」シリーズ。私は好きです。
タイトルが「ビブリア:本を愛する人」であること。
また本文中(プロローグ)やあとがきで、
著者が特別に枠を設けて古書(本)について語っています。
それゆえ、古書(本)についてはしっかり考察したいと思います。
第1話。読書家から祖母への贈呈本「それから」夏目漱石。
主人公の名前、大輔は「それから」の主人公の名前から取られている。
「それから」の要約を『主人公の男の人が、よその奥さんを取っちゃうのよ』
表層的な一面だけで本質を提示せず終わらせてしまったこと。
物語の逸話全て疑問に感じています。
「それから」大半の方が読了されているのでしょうか…
私は下記のように捉えて読了しています。
主人公:大助は、nii admirari(ラテン語)
何事にも感動しない人間。明治時代の知識人の世紀末的虚無感を現す語。
最高の教育を受けながら、労働は卑しいものとし、父親の財産に寄生して
気ままに自分が高尚とする趣味に生きているナルシスト。
日露戦争後、急速に近代化(西欧化)する社会についても大助はただ傍観。
それが国民の精神的余裕を奪い、道徳を退廃させると考えるだけ。
大助の考え方にも一理あるなと読者は考えます。が、そんな大助でさえ、
現実社会に引き戻されて生きていくしかないんだ!という話。
愛書家は「それから」をただの恋愛小説だとは読まないでしょう。
愛書家の人が「それから」を自分の愛する祖母に贈った理由、
祖母が孫に大輔と名づけた理由、栞子さんの口から、
「それから」の解説と一緒に聞かせて貰いたかったです。
「それから」は「三四郎」「門」との三部作です。
著者は意図的に中途で第1話の物語を終わらせ、
最後の締めとして夏目漱石の三部作に戻ってくる考えなのでしょうか…
物語全般の印象として、古書の内容との関連性が弱いと感じています。
新古書店を中心にせどりをする志田が売りに来た文庫本。
ディケンズ「我ら共通の友」 マルタン「書物の出現」
式場隆三郎「定本 二笑亭綺譚」 杉山茂丸「百魔」
せどりの教科書1ページ目に載っていそうな書物の羅列に感じました。
偽名:笠井菊哉について。
梶山李之「せどり男爵数奇譚」の主人公の名前。
私はこの本、河出文庫で所蔵していましたが、ヤケがひどくなったので
ちくま文庫から出版された時に買い直しています。
メジャーな本だと思っています。
狂書家の人がつける偽名としてはあまりに安直。そう感じました。
第3話。クジミン「論理学入門」青木文庫。
私は大学で論理学の単位は修得しているはずですが、
講義に出席した記憶もなければ、本を読んだ記憶もありません。
それでもこの本からの提示が三段論法だけというのは、
あまりにひどいように思えます(笑)
クジミン「論理学入門」ってそんな内容の書物なのでしょうか…
2度目に志田が売りにきたディキンスン「生ける屍」サンリオSF文庫。
私は「生ける屍」が出てくるまでは、サラサラと楽しく読んでいました。
ここからは、この本についてどのように扱ってくれるのか熟読しました。
サンリオSF文庫が絶版した時、大量のサンリオボーイが発生した事、
昨日の事のように肌で感じて憶えています。
私はサンリオSF文庫に興味ありませんでしたが、
最後の1冊「爆発した切符」を求めて、
秩父の山奥の本屋まで行ったという、男の逸話を聞いた記憶があります。
「生ける屍」について。
2週間に1度の割合で古書店へ行き、100円均一で、
今週読む本を求めるレベルの私ですら、十二分に価値は知っています。
表紙絵が強烈なことでも知られている古書です。
昨夏、ヤフーオークションで2万円で取引があったのも知っています。
(相場は状態にもよりますが、もっと高額でしょう)

この本はあるべきところに収まっているか、
古書店のガラスケースに大切に保管されている本です。
この本について、入手経路の言及がなかったのは不満に感じました。
サンリオ文庫コレクターの方が読めば、ズッコケルんじゃないでしょうか。
作家は血や肉とした経験を元に物語を作成すべきだと思います。
経験がない場合は、聞きかじった知識を右から左へと垂れ流すのではなく、
肌で実感した経験のように、みせる工夫をすべきだと思います。
そこら辺りがラノベの限界なのかなという風には感じました。
値段が高額、ただ珍しいだけの書物、私は興味がありません。
「ビブリア」本を愛する人。
タイトルにこの言葉を選んだ以上、
作家の本に対する愛情を垣間見たいと思っています。
良い本というのは、例え子供向けに書かれた本だとしても、
大人も十分に楽しめる本である。そう思っています。
私は「ビブリア古書堂」シリーズ好きですが、
ぼんやりとした「本好き」の身分としては、
本好きな方にお勧めしにくい本。そのように感じています。
ベストセラーの定義について。
今の出版業界を支えているのは10~20代の女性読者だと思っています。
昔、角川春樹氏も角川文庫は25才までの女性をターゲットにしている。
そのような発言をされたことを憶えています。
300万部突破の「ビブリア古書堂」シリーズ。
男性の理想像の栞子さんが女性にも受け入れらている。
興味深いなって感じています。
ベストセラーの定義について、荒川洋治氏の書物で読んだ経験があります。
普段、本を読まない人が読むからベストセラーになる。
面白いなと感じたことがあります。
主旨は、本を読まない人が増えたために、
全うな本が陳腐な本に席を譲らなくてはならない。
だったと思います。
また氏の本で、ぼんやりとした「本好き」。これがいちばんこまるのだ。
そんなくらいなら読まないほうがいいかもしれない。
心にグサっときたことがあります。
(話がいつものように脱線していますw)
「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」
私の評価(アマゾン風に)
☆☆☆☆☆
②巻目以降はベストセラーになった安心感で、
古書店でいつでも拾えると判断。購入を見送っています。
2巻以降は帯付き美品150円で拾う予定です☆
ただ、③巻で「たんぽぽ娘」ヤングが取り上げられている模様。
どう料理されているのか猛烈に食指がわいています。
新刊で購入するかもしれません。
映画化されるなら、栞子さん:綾瀬はるか!!
栞子さんの妹:新垣結衣!!が希望です(笑)
以上です。
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